恐怖の泉

上級者向け怖い話「子供が執着する3つのもの」

ゴールデンウィークに孫達が帰省しなかった事への寂しさからか、祖母が電話口で興味深い事を言っていた。

「子供というのは、何かに執着を見せるものだ。その対象は水、火、石だ。」

と祖母は言う。男児に多いらしい。
「それぞれに危険があり、その子が何に執着をみせるのか知るためにも、一度子供を連れて田舎で生活する時間を持つべきだ。」
みたいな事を言っていた。

【原作】子供が執着する3つのもの【朗読版】
「上級者向け怖い話 9連発 -紫-」のサムネイル画像
※この話は原作者から正式な許可を頂いて掲載しております。

とりあえず一番危険なのは水に執着する子供だそうだ。
そういう子は用も無く川なんかに出かける。理由は分からない。川に呼ばれる、という言い方をする場合もある。

オレもよく川へ出かけたが、魚を焼いて食う為、松の木やライターや塩を持参していた。
つまりオレの興味は魚を獲ることで、どちらかというと火が好きだということが分かり、水の心配はあまり無さそうだと祖母は安心したという。
これはオカルトというよりも統計的な話なのだろうが、水が好きな子はやはり水難事故に遭う確率が高く、目を離さないようにする必要がある。

ところで、渓流釣りなんかをやる人には共通する感覚なのではないかと思うけれど。
川辺に立って釣り糸を流し、川面を見ているとボーっと意識が飛んでいる時がある。
そういう時ってふと我に返ると、足元で魚が腹を見せて背中を擦っていたり、驚くほど自分が自然に溶け込めていたりする。
ひょっとすると、そういう時間が危ないのかも知れない。

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火に執着する子供は一番分かりづらいのだそうだ。
隠れてタバコを吸ってみるとか、そういうのとセットになっているのが理由らしい。
本人自身も火が見たいのか、それともタバコを吸ってみたいのか自覚を持ちにくい。

自分が火を好きなのだと気付くのは大抵1人の時で、無意味な火遊びをするものだという。
俺は完全にこのタイプで、小学生の頃はやたらにライターが欲しかった時期がある。ターボライターとかオイルマッチとか、小遣い貯めてはいろいろ買ってた。
ライターが好きだと思ってたんだけど、考えてみれば火に魅せられてたんだなと思う。

これも現実的な話なんだけど、そういう子は家を燃やしちゃったりする。でもそいつ自身が火の元なので案外身の危険に晒されたりはしないのだそうだ。
一番先に逃げられるから。

3つ目は石に執着する子供。
俺は全くその気が無いから分からないんだが、外へ遊びに出て石拾って帰ってくる子供がそうだ。
友達にも居たが、何が面白いのか理解出来なかった。

これが一番オカルトな感じがするんだけど、祖母の言い方を借りれば「人や縁に関わる不幸を招く」のだそうだ。
しかもそいつが、いつどういった不幸を招くのか全く分からないから手に負えないらしい。
適当なことを言って注意すれば拾ってこなくなるだろうが、問題なのは石の中には一発大当たり的なものがあることらしい。
つまりその石に興味を持っちゃった時点で作用してしまうというもの。
そういう時は、何か起きる前にお祓いでもして対処をしなければならないらしい。

特に体験も物語もないけど、何となく身に覚えのある話だったので書いてみました。
結構当てはまる人多いんじゃないかな。

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