恐怖の泉

実話系・怖い話「東日本大震災でのボランティア活動」

これは私と東京に住む親戚のおじさんの体験談です。

私は、土木の会社を営む親戚のおじさんと部下の方々、また会社とお付き合いのある方々と共に、東日本大震災のボランティア活動に参加した経験があります。
正直こんな話をしてもいいのか?と本当に迷いましたが…。
全て真実であり、また時間も経過してる為、何かの縁だという事で語らせて頂きたいと思います。

私達は40人くらいのグループで重機を東京から運び、現地の土砂をどかす作業を少しずつ行いました。
勿論、自衛隊の方々や救助隊の方々から「ここは片付けてください」と指示があった後に作業を行なっておりました。

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土砂や瓦礫をどかす作業の課程では、どうしても避けられない出来事がありました。
皆様も予測できるかと思いますが…亡くなった方々のご遺体が出てきます。

重機を操縦する私達も、出来る限り遺体の損傷がひどくならないように作業していたのですが、やはりショベルカーの先のグラップルアタッチメントと呼ばれるハサミのような部分に遺体が引っかかることがありました。
毎回、発見する度に自衛隊や警察へ報告するのですが、その度に私は涙しました。

そんなある日の夜。
支援活動中は仮の宿舎どころではなく、私達はテントでキャンプをして寝泊りしていたのですが、テントのすぐ側から「ザクザクザク」と人が歩く音が聞こえたのです。

足音に気づいた私が何気なくテントのジッパーを外して、外を見てみると目の前に足がありました。
誰かと思い見上げると…

上半身がありませんでした。

私はすぐにジッパーを閉じました。
それでも尚、ザクザクザクと歩き回る足音が聞こえます。
私はひたすら「ご冥福をお祈りします。ご冥福をお祈りします。」と唱えるしかありませんでした。

疲れてみた夢だったのか、はたまた現実だったのか分かりませんが、今でも当時の恐怖はトラウマになっています。

不思議な体験をしたのは私だけではありません。
おじさんの仲間でグラップルアタッチメントの近くにテントをはった方は、夜中に響き渡る悲鳴で何度も目を覚ましたといいます。
他にそんな声を聞いた人なんて、誰もいません。

作業が終わって東京に帰ってからは、お寺でお祓いをしてもらいグラップルアタッチメントも処分しました。
皆が着ていた作業着も、お祓いして燃やして供養しました。
ちなみに作業着をお祓いせず、その後も着ていた方が1人いらっしゃったのですが、その方は帰宅後からよく金縛りに遭うようになったそうです。
その話を聞いたおじさんが作業着を供養して処分したところ、金縛りはピタッと無くなったそうです。

私や周りの方の体験談が心霊的なものだったのか、それとも精神的なものだったのかは定かではありません。
ただ、悲しくも怖い災害があった事だけは確かです。

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